「”染井吉野”短命説とがいせん桜」勝木俊雄博士講演会

勝木俊雄博士講演会「"染井吉野"短命説とがいせん桜」
新庄村公民館で3月4日(日曜日)13:30〜15:45 講演会が行われた。
講師:勝木俊雄(国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 多摩森林科学園チーム長)
そめいよしのーがいせん桜
多摩森林科学園桜保全ー八王子、
森に関わる研究
全国の桜の品種コレクションー50年前
ここに勤務を初めて分類をやっていった。
分類をやっている人は少ない。ー日本の野生植物・平凡社刊。2016年改訂版で桜の部分を担当。
「樹木医学研究」。「樹木医の手引き」。樹木医学会の編集委員にも携わっている。樹木医研修の研修にも携わっている。
「生き物出会い図鑑日本の桜」、岩波新書「桜」。サイエンス・アイ新書「桜の科学」(トピック的、マスコミから尋ねられる点を)

日本に自生する桜
そめいよしのは栽培品種。
野生種は○チョウジザクラ、○マメザクラr○エドヒガン、○ヤマザクラ、カスミザクラ、ミヤマザクラ、タカネザクラ、○オオヤマザクラ、オオシマザクラ、カンヒザクラ。○は新庄にもありそう。
この9種にクマノザクラを追加しようと考えている。
京都御所の紫宸殿の「左近の桜」。1000年前の平安時代から桜を愛で始める。これは種としてのヤマザクラを使っている。山桜は関東以西。一般的だったから当時から花見として見られていた。
吉野山も基本はヤマザクラ。
別のタイプで花見に使われるのは、エドヒガン。東北南部から以西。花がついたときも葉がほとんど伸びない。非常に大きく高齢で生きる幹周りが10m。日本一の大きさ。
醍醐桜も高齢て大きい。

お花見の文化は千年以上続いている。
しだれ桜。有名なのは福島県の三春の滝桜r
江戸時代になると変わったものが栽培され始めた。カンザンなと。
主な栽培品種は30種

ソメイヨシノは栽培品ーオオシマザクラとエトヒガンの交配。染井霊園。
明治になってよく広まった。東京やその他全国に
新宿御苑
成長が早い、上や横、花をつけるのも早い、だから広まった
山桜は高さ10mまで
秋の紅葉も良い。花つきも良い。鑑賞に適している。花芽1つから3個位の花。1箇所で15。
接ぎ木で増やす。こうやってクローン木を増やす。
これだけ増えると問題も出てくる。
腐りがあっても花がつくほど元気。
花が咲く仕組みとして一度。寒くならないと花がつきにくい。低温刺激。
沖縄では暖かくてソメイヨシノが咲かない。
種子島がソメイヨシノが育つ限界。冬の平均気温が15℃以内が望ましい
テグス病。花が咲いたときに葉たけだったらテンクス病。これで枯れることはない。
樹皮、内部か腐るとだめ。空洞化が進むと折れやすくなる。
危険な桜を放置してたらけしからんーー管理側の責任も問われる。

他の病虫害ー幹にコブ
高齢のソメイヨシノに出やすいー原因不明、がいせん桜でもよく見られる

(休憩)
ソメイヨシノの短命説というのもよく言われる。しかし、広まった明治時代から言われている。明治でも20年などと言われていた。其の頃古い木がなかった。ある程度成長すると頭打ちになり成長が抑えられる。その時枯れ枝が目立つようになり、鑑賞的によく思われない。進むと観賞価値がなくなる。役に立たなくなる。お花見の装置として役に立たない。
新宿御苑でも樹齢100年、弘前公園の1882年植栽のソメイヨシノ、まだまだ元気。
それより古いと思われる1878-1880植栽は管理は悪いがr生きている。幹周り数メートルというものもある。
樹齢と樹高。最初値20年で樹高はあまり変わらなくなる。環境が悪いと樹高が8mくらいにとどまっている。胸の高さで140年で3。5mのものも。樹齢とともに太っていく。
4−50年過ぎると健康状態は衰えてくる。100年過ぎても良好なものも多い。
マスコミ的には短命説が言われるが生物学的には100年以上生きれる。
福岡には50年で周囲1mを超える。
剪定は大切で長生きできない。木の皮のところが生きているので、太った古い枝は切ってやるほうが、樹齢を伸ばせる。ー弘前公園はかなり太い枝を切り落とし、細い枝をたくさん出させる。数年すれば花も見られるようになる。弘前方式。
ただ暖かいところですれば弘前方式では失敗する。腐れる。新庄村くらいだったらそこそこ強い選定をしても大丈夫かな。
腐った幹は戻らない。ー株立上に複数の幹を伸ばす。三重県の白子の不断桜ー500年位は生きていることになる。ソメイヨシノでもそのような育て方はできる。ひこばえを伸ばして3本くらいだけ伸ばすというやり方。

がいせん桜
環境は?悪化していないか?
広々とした緑地ならよく成長するが、車道灘あったら良くない。
がいせん桜ー土が数十センチは非常に悪い。地表に近いところの根っこは細い。
植物に使える土とそうでないもの。
ほっているところを見ると川砂、栄養がない。
車道には空気が入らない、水がない。それにもかかわらず両脇に水路があるのが、桜に良かったようだ。その水が長生きをさせている要因。
並木の外観。
弘前の1901年植栽はかなり大きくなる。
がいせん桜上田宅前でも80センチ。成長に成約受けている。
根っこを張るスペースがない栄養がない。
大きくなりすぎていない。不朽があまり入っていない印象を持った。寒冷で不朽菌が入っていない。大きくなりすぎると空洞ができやすい。小さいのが良かったのかもしれない。
根っこが出ていてひこばえが出るというのは上に伸びにくくなって、手っ取り早く根っこからひこばえが出やすいのかも。

なんのために桜を育てるのか。
コストに見合った効果はあるのか。
効果、文化財、費用、労力。
これらを検証する必要がある。
新宿御苑では数百万人が訪れ、その入園料で管理もできている。
最初の20年ほどはほとんどコストもかからない。初期投資数百円で植栽できる。
それ以後はいきなりコストが上がってくる。人間と同じだ。
経済原理だけで行くと、バッサリ切って新たに植栽するほうが安くつく。これをどう捉えるのかが大切。

誰が管理するか。
生活道路でもある。
村民、住民、ボランティア、管理業者、ビジネス、観光客、周辺住民、国、県、村。みんなで共通の目標を立てている。

PDCー計画・実行・評価。ACT改善。
事前評価、事後評価。
順応的管理とは。
樹木のお医者さんの診断資料が村に残っていない。その診断を記録に残していく。
土壌環境の改善ーこの方向自体は悪くない。
幹周りの不定根
これらが本当に良かったのか。
木は元気になったのか?
やる前とあとの診断が必要。
ジャノヒゲを植えていたのは継続するのが良い。人が入る、土が流れる、を防ぐ。
急激に成長が良くなった桜。ー折れる心配も出てくる。
幹は太くないのに、上の枝が張っている、うろもできている木もある。
支柱はできるだけないほうがいいが、場合によっていく必要もある。

継続した診断記録。

質問。
Q.てんぐ巣病は枯れることはないというが。
A。正常に見えているところも発症していないだけだ。発症しているところは葉だけで感傷的に悪い。数年で枯れる。木全体が枯れることはない。菌が潜伏しているので完全に取れない。
ヒコバエ、胴ぶきを取れというのは上の花が咲きにくいから問ことだが、木からするとどうぶきをいかすほうがよいが、はなを見るために上を残している。生活道路だから下のヒコバエを伸ばすのも難しい。

Q.植え替えも必要と思うが。
後継はいろいろ難しいが、がいせん桜ということからすると残せる物欲残したほうがいい。物理的な強度は検討が必要。株として活かすにはどうつきをしてヒコバエを伸ばすのが必要。

クローンを作ると言っても、どのソメイヨシノで同じなんだけど、新庄の桜のクローンというのがいいだろう。

苔やキノコが出ているということだけで枯れることはない。

ソメイヨシノは病気になりやすいと言われるが、てんぐ巣病にはなりやすいが、全体的には病虫害に強い。ソメイヨシノ時期以外にも見たいということから、多品種を植えているケースがおおく、私自身、ソメイヨシノ一辺倒は良くないとあちこちで言ってきている。

樹木医学会などで補助金的なことも把握している。

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