1月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3825
ナイス数:633
ねこのシジミ (イメージの森)の感想
捨て猫でも何とか人のうちで飼われてよかったね。でもシジミって面白い名前をつけられたものだ。我家の猫もそんなふうに言われてるのだろうか。シジミを藤崎さんって呼ぶお母さんの発想力はすごい!どんな思考回路なんだろう?あやかりたい。猫に起こされる場面で大笑いした。我が家も真っ先に起こされるのは私。妻は・・・。シジミのような活躍はないが、夫婦の会話のかなりの部分を猫が引き受けてくれている。
読了日:01月31日 著者:和田 誠
たゆたえども沈まずの感想
多くの資料をもとに史実とフィクションを織り交ぜた本作にも圧倒される。ゴッホの生涯と日本人の画商との関わりなど、この作品で知ることができた。美術作品に対する当時の人々や画商の受け止め方によって、左右されてしまう。今では大変な価値だが生涯に1枚も売れてなかったとは。林忠正さんや重吉もなぜ売ろうとしなかったのだろう?価値をつけるのは一般の人というのも理解できるが、画商の見る目も影響をあたえると思う。ゴッホの絵がどうやって日の目を見るようになったのかも描いてほしかった。
読了日:01月31日 著者:原田 マハ
百貨の魔法の感想
星野百貨店の社是、heart,hope,healing,home(真心、希望、癒やし家庭)、がこの物語そのものである。特に第一幕「空を泳ぐ鯨」、第四幕「精霊の鏡」では感動で涙することが多かった。コンシェルジェ芹沢結子と白い猫の存在にわくわくさせられ、その他の百貨店に勤める人たちのお客様たちの話に感動をたくさんもらえた。「笑顔が一番の魔法なの」という言葉は心に留めたい。自分を幸せにするだけでなく、周りの人をも幸せにする魔法だ。修行をしなくても誰でもできる魔法。皆で魔法を掛け合おう!
読了日:01月29日 著者:村山 早紀
星の子の感想
本屋大賞ノミネート作ということで読む。病弱な子を元気にしたいということで、力のある水からしだいに何か宗教的なものにとらわれていく家族。親戚とも距離を取るようになり意見が耳に入らなくなっていく。子どもがその中に取り込まれていくのは、なんともいたたまれない。もっと自由にいろんなことができる環境をつくってもらいたかった。作品の意図を読みきれなかった。
読了日:01月24日 著者:今村夏子
キラキラ共和国の感想
「ツバキ文具店」の続編、本屋大賞ノミネート作ということで楽しみに手にする。鳩子さんに家族ができてよかった。康成さんへの手紙とか、美雪さんへの手紙などには感動する。美雪さんをこんなふうに思えるって鳩子さんも本当にいい人だね。レディ・ババへのミツロー、QPちゃんの言葉に、ポッポちゃんも家族の大切さを改めて感じじたね。「目を瞑ってキラキラ、キラキラ」「自分が幸せになることで仕返し」「一生のうちに一人でも幸福にできたら自分は幸福」幸せがいっぱい詰まった小説だった!次作でレディ・ババさんも幸せにしてあげて。
読了日:01月24日 著者:小川 糸
さよなら、田中さんの感想
小学校4年、6年時の作品を改訂し、新たに書き下ろしてこれだけの小説が書けるなんて素晴らしい!将来が楽しみ。表題作は最後にあり同級生から見た主人公が描かれていた。それ以前の4つの章は田中花実さんが主人公。母子家庭で知りたいこともいっぱいありながら、母親のたくましく明るい生活ぶりに、楽しく過ごしている主人公が描かれていた。周りに迎合することなく人と接し力強く生きる姿が良かった。文章表現も豊かでとても中学生とは思えない作品に出会うことができた。
読了日:01月22日 著者:鈴木 るりか
ランニング・ワイルドの感想
呉市主催のアドベンチャーレースに出場した和倉たち。オリエンテーリングをしながらランニング、シーカヤック、バイクで制限時間のあるチェックポイントを通過して競う。開始間際の1本の電話から和倉には新たな試練も加わる。チームのキャップとして、そして個人としてどうメンバーや大会に臨むか。自らの職務との絡み。ゴールできるのか、要請に応えられるのか、家族は、職務は? 読みながらこちらまで息が上がってしまうようで楽しめた。
読了日:01月21日 著者:堂場 瞬一
ときどき旅に出るカフェの感想
瑛子さんが訪れるようになった憩いのカフェ・ルーズ。店主・円さんの作る海外の飲み物やスイーツのあれこれ。この小説を読んでいるだけで飲み物や食べ物を頂いているようでホッとできてしまう。10のそれぞれの話は最後に解き明かされてスッキリと終わる。仕事にしても生活にしても、常識と思えることが、自分だけの狭い了見だということが多々あるということも感じた。幸せな生活ってどんな生活?人それぞれの幸せな生活の感じ方があるのだろうが。
読了日:01月16日 著者:近藤 史恵
漫画 君たちはどう生きるかの感想
80年前に出版されたものが漫画として再登場というのもすごい。50年ほど前に私も原作を読んだこともあり、今回手にする。この漫画を多くの小中学生のみならず我々大人も味わいたいものだ。すべてが漫画ではなく、おじさんからコペル君への手紙やノートの文章は文字でしっかり記され、原作も大事にされている。多くの人との関わりの中で生き、過ちをしても正しい道に向かうこと、自分で自分を決定する力を持っていることなど、今の社会でも訴える力を持っている本だ。悩む子を優しく導くおじさんになりたいものだ。
読了日:01月15日 著者:吉野源三郎
ふたごの感想
作者のミュージシャンSEKAI NO OWARI のSaoriとしての活動もよく知らなかったけど、直木賞候補の作品ということで手にする。活動を始めるまでの様子や心の動きが、独特に表現されていた。ふたごと月島に言われてもそう思えない夏子。そう思えないと言われても一緒にいないと落ち着けない夏子。落ち込んでいる時の月島の言葉「いいじゃん、俺は寂しそうなやつって、魅力的だと思うよ」「仲良くなれるからさ」こんなふうにいえる月島はすごい。辛く思っている人にこんな素敵な言葉が言える人っていいなぁ。
読了日:01月14日 著者:藤崎 彩織(SEKAI NO OWARI)
神さまたちの遊ぶ庭の感想
福井から北海道大雪山の近くのトムラウシに山村留学した宮下家族の1年間の軌跡。氷点下20度を度々下回る冬とか、最高気温が20度に達しない夏、数人のクラスの様子、作者だけでなく読んでいるものも驚きばかり。地区の人と一体となっている学校の楽しそうなこと。勉強も必要なことだが、大人と子どもが知恵を絞りながら充実した日々を過ごせるのは、とても素晴らしいことだ。生きる力はとても強い。よそから入ってくる人を受け入れる地域の人たちの包容力もすごいものだ。
読了日:01月11日 著者:宮下 奈都
ホワイトラビットの感想
なかなか乗れなかった。後からあれは、この人は、なんて出てきて、面白さを感じる前に冷めてしまった。何とか最後までは目を通す。
読了日:01月08日 著者:伊坂 幸太郎
彼方の友への感想
感動しながら読み終えた。戦前戦後を通して女性雑誌を関わり続けてきた佐倉ハツ(波津子)の熱い胸の内がよく伝わってきた。目に見えない多くの読者を「彼方の友」として、戦中の苦難の中でも「友へ、最上のものを」と夢を与え続けた。雑誌の付録であったフローラ・ゲームのカードや、波津子の親しむ言葉遊びの音符が、物語の中で波津子らの心の思いを強く印象づけていた。戦争による文芸への圧力、出兵によって多くの人材の消失の中でも「友」を力づけようとする波津子らに胸打たれる。最後の音符やペンに涙腺は緩むばかり。
読了日:01月06日 著者:伊吹 有喜
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