青空を虹色に染め夢開く #jhaiku #book

航空自衛隊の戦闘機隊員の中でされに選ばれたものが、ブルーインパルスの飛行隊員になれるという。

有川浩著『空飛ぶ広報室』の主人公スカイというタックネームでブルーインパルスの隊員としての内示も出たばかりなのに、歩行中に車が突っ込んできて右足の骨折をしてしまう。リハビリを終えて普通の生活はできるようになったものの、飛行隊員、ましてやブルーインパルスの隊員にはなれなくなってしまった。小さいころの憧れの職業でその夢をつかむまであと一息のところだったのに、心がポキッと折れてしまっても不思議でないくらいだ。

スカイ、本名は空井大祐は、P免(パイロット罷免)となり、転属となり、航空自衛隊航空幕僚広報室へ入った。広報官になったのである。
なれない仕事ながら周りの上司の指導も受け、航空自衛隊を人々にその存在を認めてもらうための広報に力を注ぐ。

自衛隊は軍隊だと嫌悪する帝都テレビの稲葉リカの取材を受け、自衛隊が国民の中に十分理解されていないことを再認識し、広報の大切さを知っていく。リカも強引な警察回りの記者をしていたが、強引さが裏目に出てテレビのディレクターになっていた。お互いに自分が求めていた仕事から引き離されていったのに、空井のほうが早く立ち直って行ってることに気づいていく。

アイドルグループがテレ番組の中でブルーインパルスを使うという形で、広報としての大きな仕事を成功させるまでになった。

小説内に出てくることばで、こういうのがあった。自虐ネタとして、
 

航空自衛隊は勇猛果敢・支離滅裂、
陸上自衛隊は用意周到・動脈硬化、
海上自衛隊は伝統墨守・唯我独尊、
統幕は高位高官・権限皆無、
内局は優柔不断・本末転倒、

とでていた。「あまり不愉快に思う人がいないのは、これを作ったのが何十年か前防衛記者会見だって説があるから・・・」さらに

防衛記者会は浅学非才・馬鹿丸出し

だという。
「自衛隊を皮肉りながら最後に自分を一番落としてくるところ、バランス感覚が抜群ですよね」と、自衛隊を取材して有川さんは書いているのだろうに、こんなこと書いていいの?って思ってしまう。そういえば、『県庁おもてなし課』でもかなり県庁職員のことを書いていましたね。

ネットで検索してみると http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3312326.html に『勇猛果敢・支離滅裂 航空自衛隊』などの記述があるから、でたらめでもないようです。おもしろい!

 

有川浩著『空飛ぶ広報室』幻冬舎2012年7月25日第1刷発行

No tags for this post.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください