カタクリとヤアヤア

ある方とカタクリの話をしていたら、「ヤアヤア」と呼んでいたというのを聞いていた。たまたま読んだ『里山 いのちの譜 中国山地の暮らしを訪ねて』正木真理子著に、ヤアヤアの事が載っていた。
次のような記述があった。
三次のカタクリの地方名は「ヤアヤア」だが、今ではどの地域かわからずじまい。鱗茎より良質の澱粉が取れるが、カタクリから採取していたかどうかも聞いたことがないと返事をもらう。けれども澱粉をとっていたウバユリをカタクリと呼ぶのが庄原市東城町で、ヤアヤアと呼ぶのが比和町。そのヤアヤアの澱粉を片栗粉と呼び、比和では出産祝いに届けた。どこかで入れ替わったのかもしれないが、今となって判明させるのは難しかろう。
このカタクリの蜜を吸うのが、貴重種のギフチョウ。広島・山口が西限地域となっている。
落葉樹が芽吹く前に成長するカンアオイの葉を食べる幼虫は春から初夏にかけて成長する。このため春先に羽化した成虫はr日光浴や交尾を急いで済ませる。この短い一生を終えるギフチョウのはかなさが春の妖精と呼ばせるのだろうか。幼虫も成虫も里山の雑木林でのみ生きることができる。

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