画像の上にカーソルを置くとスライドが止まります。写真タイトル下のバーをクリックするとその写真を表示します。
寺の名に冠する称号のことです。中国では禅宗が盛んになった唐代から行われ、わが国でも、禅宗渡来以後に用いられるようになりました。多く、寺院は山中に建てられたところから、その山の名を寺院名に冠するようになっていきました。比叡山(延暦寺)、高野山(金剛峰寺),金竜山(浅草寺)などは、よく知られています。(国語大辞典(小学館)1988)
この念佛寺(念仏寺)の山号は、「摂取山」(せっしゅざん)といいます。
『観無量寿経』の第9観に
と、説かれています。これは、「阿弥陀仏の光明はあまねく十方世界を照らして、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」つまり、「阿弥陀仏の身体から発せられる光明は、すべての世界をあまねく照らし、この光明によって南無阿弥陀佛と念仏を唱える人(「私は阿弥陀仏に帰依します。阿弥陀仏の言葉を信じます。」と唱える人)をすべて極楽浄土に救い取って、一人として漏らすことはありません。」という意味です。
上の、3.『摂取山の出典』にも出てきたように、『念仏』の衆生の一切を阿弥陀仏がお救いくださり、極楽浄土に導いてくださる、ということに由来しています。念仏の大切さを寺の名前として、『念佛寺』(念仏寺)とつけられたものと思われます。
それでは、『念佛寺』(念仏寺)と称されるお寺は全国にどのくらいあるのでしょうか。浄土宗に限って名簿で調べてみますと、『念佛寺』あるいは、『念仏寺』という寺院の数は、全国に38カ寺もあります。この他に、『念佛院』とか『念佛教会』『念仏堂』という名前も見られます。
念佛寺の檀家数は、70戸強です。ほんとに小さな小さなお寺です。この檀家の皆さんに支えられて、今日まで続いております。