あなたもケーナをつくれます。自分でつくれる楽器です。気楽にやってみましょう。

気楽にケーナづくり

1.きっかけ

勤務している中学校の学校行事でキャンプがあり、その中のサークル活動で行うものとして、

ケーナづくりを思いついた。

といっても、初めは、サンポーニャが竹の筒をつなぎ合わせたものだし、音も出やすいから、

サンポーニャをつくろうと思って、コチャバンバの安岡さんに相談しました。

安岡さんは、「それは難しいし、そんな竹を手に入れる事は、日本ではできませんよ。」と

言われ、ケーナをつくるほうがずっと簡単だと教えてくださいました。

中学生を相手にするのなら、多少の差はできても、ある程度のものがつくれる事、竹も

近くにあるもので、何とかなると教えてくださったのです。

節間の長いものがないので、断念しかけていましたが、「遊び」でする気持ちでいいのではと

思い直し、太さだけに注目して、近くの竹やぶを見ては、いくらかの竹をいただいて来て、

つくってみました。

2.工具

安岡さんの説明で、現地の人も、竹を焼いて穴をあけているという事を知り、自分が持っている

アランドレスのケーナを見ると、確かに焼いた跡が残っていました。

つくるにあたって、揃えた工具は、下の写真のようなものです。


@自作選択用さし

竹林にて、おおよそのサイズを測るために、布紐に太さ、長さを記したもの。

A竹引きノコ(竹林用)

林にて竹を切り、枝を落とす時に使用するためのノコ。ホルダーつきなので、腰に挿して移動できるのがよい。

B竹引きノコ(最終)

自宅にて、長さを測って切り落とす時に使用するノコ。刃が細かい。

C自作簡易ケーナメジャー

アランドレスのケーナに合わせて、歌口の大きさ、穴の中心位置を記し、マーカーペンで印が入れられるようにしたもの。

Dノギス

穴のサイズ、歌口のサイズを細かく測定するために使用。ホームセンターで売られている。

Eねずみ刃ギリ

当初、これを使って、6ミリくらいの穴をあけようとやってみたが、乾燥を十分にさせていなかったためか、竹の表面がささくれて、うまくいかなかった。ハンドドリルも使ってみたが、安物で、刃がいいものでなかったのか、乾燥が不十分だったのか、ささくれて失敗した。

F三方ギリ

自作簡易ケーナメジャーを使って竹に印をし、焼き穴通しが滑らない程度に穴をあけるために使用。

G焼き穴通し5.8mm

ケーナ裏面の親指でふさぐ穴を開けるための道具。近くの鍛冶屋さんで作っていただいた。

H焼き穴通し8.5mm

下から、1番3番の穴を開けるための道具。これも近くの鍛冶屋さんで作っていただいた。

I焼き穴通し11.7mm

GH以外の穴を開けるための道具。これも同じく近くの鍛冶屋さんで作っていただいた。

J丸ヤスリ5mm

裏穴のサイズ調節と、焼き焦げたところをきれいにするためのヤスリ。

K丸ヤスリ8mm

下から1番3番の穴の、サイズ調節と、焼き焦げをきれいにするためのヤスリ。

L丸ヤスリ10mm

主に、途中の節を抜いたあとの出っ張りを取り除くためのヤスリ。

M自作筒内用ヤスリ

竹の内側の薄皮を取り除き、内面をきれいに磨くために、棒の先に、紙ヤスリを両面テープでくっつけたもの。

N紙ヤスリ

歌口をきれいに磨くための紙ヤスリ。丸めて使用する。

O半丸ヤスリ16mm

内面の節部分、歌口内部を大きく削る時に使用する。

P半丸ヤスリ12mm

歌口、穴部分を丁寧に仕上げる時に使用するヤスリ。先がかなり細くなっているので、小さい穴でも結構使用できる。

Qブラシ

ヤスリの溝に入ったかすを取り除くためのもの。

R油性ペン

竹にマーキングする時に使用する油性ペン。

Sニッパー

完成後、テグスを数箇所に巻き最後に締める時に使用する。

(21)工具箱

小さい工具をしまうケース。

3.感想

失敗その1

竹を取ってきて、乾燥させずにキリで穴を開けていたら、竹の表面がささくれて、使い物にならなくなった。乾燥させることの必要性を感じた。

失敗その2

竹を早く乾燥させようと思って、電子レンジにかけていたら、竹がこげて、割れてしまった。

さらに、時間を測定して、何本もの竹を乾燥させていたら、レンジが壊れてしまい。妻や子供たちから、

非難ごうごうであった。新しいレンジを購入してきたが、機能満載でかえって使いにくいと、さらに非難を浴びる羽目になった。

感想

竹をレンジにかける事は、ドライフラワーをレンジで作るということを以前何かでやっていたことから思いついたのだった。

竹の中から油が出てくるし、取り出したら艶々していて、とてもいい感じであった。

田中流ケーナの作り方〜ケーナもケナーチョもつくっちゃおう(2003.9.7)のページに具体的に写真入りで作り方を示しています。(2003.9.7)

初めて作ったときに音が出たのはなんともいえない感動であった。自分で音の出せる「楽器」が作れた喜びは大きいものであった。音程や音色は二の次ではあるが。自分で作ったものをケーナというには恥ずかしい限りではあるが、こんなに簡単に作れてしまうとは、驚きだった。中学生を相手に遊ぶにはちょうどよい。でも、中学生に音を出させるにはちょっと時間がかかる。中学生でも、フルートをやっていたり、地域で横笛などをやっている生徒もいて、すぐ音を出せる子もいた。

4.参考文献

大木岩夫著「アンデスの笛 ケーナ −−作り方と吹き方ーー」 ¥2000 .P51 H6.4.15発行

  この本の中に、詳しく工程が記述されえており、大変参考になりました。この中ではドリル使用。アルゼンチンタイプのサイズ表あり。


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