皆さん本日はよくお参りいただきありがとうございます。
この数日やっと夏らしい天気が続いておりますが、7月後半は大変強い風が吹いて、稲の生育がご心配の方も多いのではないでしょうか。我が家でも離れの庭に植えておりました若い百日紅の木が、風にあおられ45度くらいに傾いてしまいました。その後やっとしっかりと支えをして起こしましたが、何本かの枝は、葉がきれいに殺ぎ落とされ枯れたようになっておりましたが、今見ると、また若いはが出始めております。生命力はすごいものです。
寿命ということで見ますと、陽炎は1年の寿命のうちで成虫の期間はたった1日、ねずみは1年から8年、犬や猫は12年から15年、「鶴は千年、亀は万年」といわれますが、実際は、鶴で50年から60年、かめの中でも大きなゾウガメがやっと100年余りということです。人間は、長寿国日本で、女性が約83歳、男性が77歳です。
ところが植物の中には、1500年から2000年も種のままで生き続け、縄文時代の地層から発見された3粒の中の1粒が、鉢に植えられて芽を出し、発見した人の名をつけて大賀ハスと名づけられました。また植物化石の研究から100万年前に絶滅しているとされていたものが、50年程前に中国で人知れず生き続けているのが明らかになり、今では、非本でも公園や街路樹としてよく使われるようになっている、メタセコイアというものもあるようです。
人も、わずか7、80年の寿命ですが、受精後お母さんのお腹の中で30億年の進化の過程をたどっているそうです。今、日本でも脳死ということが話題になっており、今年の3月でしたか、初めて脳死の判定を受けた肩から心臓が他の人に移植されたということが報道されました。
この臓器移植について調べてみますと、日本はかなり後れているんですね。欧米はかなり行われています。89〜95年の平均で、見ますと。肝臓移植は、日本の44件に対し、米3134件、腎臓移植は、米1万件、インド・中国でも日本の3倍ほどの1700〜1800件、心臓移植は米2158件/年、韓国で92〜95までに48例。タイで77例。台湾で、94例。このように見ますと、日本が遅れている原因の一つには、亡くなった人の遺族が遺体を解剖されるのはむごいと考えることが多いとか、仏教的な考えで後れているといわれますが、どうもそうでもないようです。
ところが動植物では、命終われば、他の生き物に食われそのものの命をはぐくんでいるわけです。また人間でも,人間の細胞は、体重60kgの人には、約60兆個の細胞があるそうです。ところが寿命の短い種類の細胞は、1日に数十億個が1人の体の中で死んでいくといわれ、毎秒、数万もの細胞が死んでいく計算になるそうです。でも誰も自分の体の仲でそのようなことが起きているとは知りませんし、死んだ細胞を弔っている人もいないと思います。考え方を変えれば、自分の命が終わっても、自分の臓器が誰かの体の中で生き続けられるというのもありがたいようにも思います。今後皆さんとともに考えていくことができればいいなと思っております。
今の私を生かしてくださった先祖を思いいたし、最後に十辺の念仏をお唱えいたしましょう。