ただ今は、皆様とともにご当家の○○居士さまの初めてのお盆をお迎えするお勤めをねんごろに努めさせていただきました。
当家の宗旨は浄土宗でございます。この6月には檀家の皆様と浄土宗の本山で
ある知恩院に参詣することができました。今から800年ほど前の平安末期か
ら鎌倉時代に法然上人が開かれました。久米南町の誕生寺で幼くして父を失い、
比叡山で修行を積みながら、苦しみや迷いの多い多くの人達を救える教えがな
いものかとたくさんのお経を学ばれたのでした。その中で出あったのが、中国
の善導の解釈書がきっかけになって巡り会った無量寿経・観無量寿経・阿弥陀
経であります。その教えは、阿弥陀仏の本願を信じ、口に南無阿弥陀仏を唱え、
最後臨終の夕べには阿弥陀仏国、極楽浄土に往生させていただく、というもの
です。法然上人はこの教えを見いだし、今までの難しい修行を行うことのでき
なかった多くの人々を救うことができると信じた訳であります。
浄土宗のお勤めの中には、何度となくこの「南無阿弥陀仏」という言葉が出て
来ます。「同唱十念」というときは「皆さんとご一緒に十回の念仏を唱えましょ
う」ということで、「なむあみだぶ」「なむあみだぶ」と8回唱え、9かいめ
に「なむあみだぶつ」と「つ」まで入れ、最後の10回目はまた「なむあみだ
ぶ」と終わります。また「念仏一会」は「なむあみだぶ」を数多く唱えるもの
です。このようにして念仏を唱えていけば阿弥陀仏が極楽往生させてくださる
と信じて、これからも法要のときのみならず、毎日の生活の中で1回でも多く
念仏を唱えていきましょう。
これが法然上人が開かれた浄土宗の教えです。それでは最後に皆様とともに十
回の念仏を唱えましょう。合唱してください。「同唱十念」