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鉄山村(美甘村)の剣のみさき(写真スライドショー)



美甘村鉄山の大槌というところに、湯本下河原で処刑になった七郎兵衛をまつった「剣のみさき」があります。この祠のそばに大正15年に建てられた二百年祭を記念する石碑があります。処刑になった正月二十五日の命日には、毎年欠かさず地区の人たちによって祭礼がとりおこなわれています。 樋口克治さんというお宅に七郎兵衛夫妻の位牌とお墓があるそうです。その夫妻には次のような悲しい話が伝わっています。
七郎兵衛が、代官から取り調べのため呼び出されたその日、妻のきくのつくる弁当の握り飯が固まりません。不吉な予感にきくは、夫の出立を見合すように頼みましたが、お上の御用なのでどうすることもできません。
七郎兵衛は出て行ったまま湯本下河原にてついに帰らぬ人となりました。そして七郎兵衛の首は、田羽根の熊居峠にさらされました。これを聞いたきくは、嘆き悲しみ思いつめて、夜陰ひそかに熊居峠に夫の首を盗みに行きました。きくは夫の首を手桶に入れて持ち帰り、墓に埋め供養しました。二月六日、きくは夫の墓の前で覚悟の自害を遂げました。(「山中一揆」山中一揆義民顕彰会より)